緑茶・ほうじ茶・烏龍茶・紅茶は、お茶商品の定番でもあるため、違いをきちんと理解できているかもしれません。それでは、玉露・煎茶・番茶の3つの違いを人に説明できるかと問われれば、意外にも多くの方が知りません。
玉露・煎茶・番茶、3つの違いについて
大きな違いは栽培方法にあります。玉露は覆下栽培と呼ばれる手法が用いられ、茶摘みの20日から1か月前に日光を遮断します。通気性のある木の屋根や遮断カーテンの下で、上質な新芽を育成するのです。
高級玉露という言葉を聞いたことがあると思いますが、玉露の栽培では有機質肥料をたくさん使い、人間の手により茶摘みを行っていきます。それだけ出荷までに手間がかかっているのです。
自然仕立てを優先するため、剪定もしません。そのため旨味成分のテアニンや葉緑素、アミノ酸が増え、渋味成分のカテキンは少なくなります。お茶にすると深い緑色をしており、飲むと凝縮された旨味を堪能できます。
そして煎茶と番茶は、覆下栽培でなく露天栽培となります。テレビなどで晴れた青空の下、籠を背負った茶摘み衣装の女性を見たことがあるはずです。この茶の木が段になって植え付けられている場所が露天園です。日光をたっぷりと浴びて育つため、茶の木は自然と光合成をします。光合成により渋味成分となるカテキンは増加しますので、お茶らしい渋さが生まれます。
日本で生成されているお茶の7割から8割が煎茶です。つまり緑茶をイメージした時に、私たちの頭の中に出てくる緑茶の色や味は煎茶ということになります。不発酵茶とも呼ばれており、蒸す・揉む・乾かす方法により製茶されます。
最後に番茶ですが、これは煎茶の茶摘み過程であぶれてしまった葉茎から作られているお茶です。カテゴリは煎茶の仲間となりますが、規格外の茶ですので品質は煎茶よりも劣ります。煎茶と比べると茶摘みが遅いため、地域によっては晩茶とも言います。
番茶の仲間には玄米茶やほうじ茶があり、その味からも分かるように渋味成分が少なく、とても飲み口が軽いといった特徴が挙げられます。カフェイン含有量も少ないため、高齢者や妊婦、小さなお子さんでも気軽に口にできます。
また硬化葉茎を使っていますので、お茶にした時の色合いが玉露や煎茶とは全く違います。ゴボウ色のような透明感がある茶色をしているのです。
まとめますと、玉露は露天栽培、煎茶は露天栽培の高級品及び日本で1番飲まれているお茶、番茶は露天栽培の下級品と区別することができます。含有成分の量が各々で全く異なりますので、一概にどれが美味しい・飲みやすいかは判断できません。それぞれでメリット・デメリットがあるのです。
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